前略篠弘さま

　自分の感情にはどんくさい方ですが、それだからこそか、自分の強い感情と直面すると動揺してしまいます。
　すごく怒っていることなんかはあんまりなくて、すごく悲しんでいるときもそんなにない。すごく喜んでいることとか、すごく嬉しいとか、そういうこともあんまりないです。だからか、すっごい嬉しい！って思ったときにどうしていいのかわからない。し、どうしよう、ってなっちゃう。

　困りものです。

　前略篠弘さま。まだまだ寒いですね。開花が遅いと言われていましたが梅の花がきれいに咲いていますね。こぶしの花はまだですね。つぼみが開きそうなのがなんともいえず可憐ですね。鮮やかな黄色は菜の花でしょうね。桜はお好きですか。桜はもう少し時間がかかりそうですね。
　我が家ではちょっと変わったことが起きまして、弟がインフルエンザにかかったようです。わたしまで感染してしまうと、病院にいくのに迷惑がかかりますので、気をつけなければなりません。予防接種だけではどうしようもないのですね。
　あのひとは変わらず、わたしにはこどもができると思っているようです。こどもを作ることができず、産むことができるかも、産めたとして育てられるかもわからないということを、直接伝えるのはやや気が引けます。
　末筆ではございますが、時節折ご自愛くださいますよう。