まえのしょくば

　母と話をしていたら、ふと以前勤めていた職場のことを思い出しました。

　すごく柔らかな職場でした。なんていうか、こう、ふんわーりしていました。新人教育はあまり過酷ではなく、ふわーんとしていました。新人だったわたしは、まぁなにをどうしていいのかわからなくて、とりあえず前任者の資料をひたすら読んだりしていたんですけど。

　わからないことをわからないと聞ける性格じゃなく、忙しそうだから、と聞くのをためらう性格でもあったので、わからないことを放置していました。それでも乗り切れたのは運が良かったか、職場のひとたちのフォローがあったからか。

　一年勤めて、とある約束で辞めたのですが、いい職場だった。と思うのですが、いい職場過ぎて、わたしがこれ以外の職場を全く知らないと言うのが不安です。こんなに柔軟剤たっぷりのタオルみたいな職場しか知らないわたしが社会に出て働けるのだろうか。しかも、病気持ちで。